飲食店オープンの為の設備工事について 

飲食店での工事では、内装等の店の雰囲気や使い勝手に関わるものもそうですが、実は大切なのが設備工事です。店舗の中でも、特に飲食店では、その非常が高いとも言えます。提供する食べ物等の出来不出来を左右するものであると同時に、お客様に安全で快適な時間を過ごしていただくためには、大切なもので、工事費用の中でもそれなりのウエイトを占めるものでもあります。今回は、そんな設備工事について見ていきます。

〇飲食店で必要な設備工事とは?

 飲食店を営業する場合、次のような設備工事が必要となってきます。

 ・電気工事

 ・水道工事

 ・ガス工事

 ・空調(エアコン)工事

 ・排気工事

 勿論、物件の内容、例えば、スケルトンであるのか居抜き物件なのかといったことや、備え付けの設備の内容、状態によって、工事内容は変わってきます。また、提供するサービスや内容によっても変わってきます。強い火力が必要なものとそうでないもの、臭いや煙の量等にも左右されますし、電気1つをとってもみても、今ある容量、配線で大丈夫かどうかといったことも考えないといけなくなってきます。

〇それどれの設備工事にかかる費用等は?

 では、それぞれの工事ごとに内容や目安となる費用について見ていきます。

 ・電気工事

  電気工事で大変なのは容量が足りない場合です。最近の電気機器は省電力化が進んでいますが、それでもエアコンや冷蔵庫、調理器具の内容によっては、大きな容量にする必要があり、その場合は、幹線の引き換え工事が必要となってきます。その場合は、費用がかさんできますが、そうでない場合、だいたい15~20坪ほどの飲食店の場合、スケルトンのもので照明器具代を除いて100万円前後が目安となります。また、同規模の居抜き物件の場合等、自分の店の雰囲気に合う照明器具を調達するだけで済む場合もありますから、その場合、20万~30万円程度で済みます。

 ・水道工事

  スケルトンの状態で、厨房やトイレ等の水道工事は、80万から120万円程度が目安となってきます。厨房機器といっても、業種によっては、「グリストラップ」という油等が直接下水に流れ込まないようにするための設備が必要となりますから、その値段にも左右されます。また、業種によっては、排水管を径の太いものにしておいた方がいい場合もあります。粉を使うお店やパン屋さんなどもそうです。

  居抜き物件で、それらの条件が揃っている場合はグリストラップや排水管を高圧洗浄するだけで済みますから、配管の長さ等にもよりますが、10万ぐらいで済む場合があります。

 ・ガス工事

 飲食店のガス工事の代金は、都市ガスの場合とプロパンガスの場合とで違ってきますが、飲食店用のガス配管がされていて店内の配管工事だけの場合は、30~40万円ぐらいが目安となります。状況が整った居抜き物件の場合は、器具を入れ替えたり、配管を伸ばしたりするだけで済みますから、10万円前後で済むかもしれません。

 一方、プロパンガスを使う場合もあると思います。地域の事情や必要な容量、火力が得られない場合は、プロパンガスの利用となることがあります。その場合、ランニングコストは高くなることもあるのですが、最初の配管等の工事費用は交渉次第では、プロパンガス屋さんが負担してくれる場合もありますから、ランニングコストも含めて、いくつかの業者さんに当たってみる方がいいでしょう。

 ・空調(エアコン)工事

  空調(エアコン)工事の場合、お店のある位置、状況によって費用は大きく変わってきます。1階や2階部分にある場合や直接お店の外の床、地面等における場合で、飲食店でよく使われる6~8馬力程度のもので、1台100万円前後です。これが室外機を屋上等におかなければいけない場合は、クレーンの費用や室外機との距離によって出力を上げないといけないため、費用は跳ね上がります。

  居抜き物件で、必要な容量のエアコンが設置されている場合、オーバーホール等の費用だけで済みますから、10万円前後で済むかもしれません。

 ・排気工事

  飲食店で忘れてはいけないものに排気工事があります。ダクトを設置して、店の外に排気を出す工事のことですが、屋上等にもっていかなければいけない場合、100万~150万円程度かかることもあります。外壁から直接排気出来る場合で80万円ぐらいと思っていいでしょう。案外、高額だと思われるかもしれませんが、排気と言っても、単に室内の空気を外に出すだけでなく、給気も含みますからそのために設備も必要となってきます。あとは、業種によって必要な排気の量も違いますし、お店の周りの状況によっても違ってきますから、例え、居抜き物件でも、工事が必要な場合があります。

今回は飲食店では結構なウエイトを占める設備工事について見て来ました。お店に合ったそして出来るだけコストを抑えるためにも、物件を検討されている段階から、私達、店舗デザイン建築.COMにご相談いただければと思います。開店してからの設備工事は、大がかりになり、お店を閉めなければいけない場合も出てきます。そうならないためにも、是非、お話を聞かせてください。

この記事を書いた人

スタッフ