飲食店にはグリストラップの設置義務がある?

飲食店を開業する場合、案外、見落とされがちなものにグリストラップがあります。

見落とされがちな理由の1つは、設置義務や基準について曖昧な部分があるからです。しかし、グリストラップは、長くお店を続けていくためには、疎かにできないものです。今回は、そんなグリストラップについて見ていきます。

  • グリストラップとは?役割や構造は?

グリストラップとは、油脂分離阻集器のことです。

グリス(油)が、下水に直接、流出しないようにするための装置で、飲食店等業務用の厨房がある場合に設置されます。屋内に設置する場合と屋外に設置する場合とがあり、基本的な構造は、残飯や野菜くずなどを取り除く、バスケットと呼ばれる第一層と、水と油脂分とを分離するための、第二槽、第三槽とからなります。厨房等の排水は、グリストラップを経ることで、残飯等は勿論、油分を取り除いて、下水に放流されることになるわけです。

厨房からの排水が直接放流されると、水質の悪化を招くとともに、下水管や排水管の詰まりに繋がり、悪臭や虫の発生といった環境の悪化、そして近隣への迷惑にもなってしまいます。

  • グリストラップの設置は設置義務がある?

グリストラップの大切さについて説明させていただきましたが、そんなグリストラップの設置義務に関しては、実は明確でない部分があるのです。

 建築基準法、下水道法、水質汚濁防止法では、それぞれ簡単に言えば次のように定められています。

 ・建築基準法129条では、建物に設ける排水のための配管設備については「国土交通大臣が定めた構造方法を用いる」と記載があり、建設省告示第1597号で、汚水が油脂等を含む場合に有効な位置に阻集器を設けることを求めています。

 ・下水道法では、排水の水質基準が具体的に記載しています。

 ・水質汚濁防止法には、この法律が適用される店舗の規模が決められています。それによると床面積420㎡以上の飲食店ではグリストラップが必要となってきます。

このように、グリストラップに関していくつかの法律があるわけですが、曖昧な部分が残ります。また、これとは別に地方自治体ごとに基準等が定められている場合もあります。そのため、実際には、役所等で確認することが必要となってきます。

  • グリストラップはメンテナンスが必要!

また、グリストラップは設置すればいいというわけではありません。設置後にメンテンンス、清掃を行うことで、その目的を達することが出来ます。

 第一槽であるバスケットは毎日、そして第二槽、第三槽は、2から3日毎に、表面に浮いてくる油脂や、底に沈んでいる沈殿物を取り除く必要があります。

今回は飲食店を開業する場合に、必要となる設備の1つ、クリストラップについて見て来ました。設置に関する基準が明確でない部分がありますが、自分のお店だけでなく、周囲への影響も大きな設備です。

私達、店舗デザイン建築.COMでは、長く続く飲食店経営をお手伝いさせていただくため、曖昧な部分についても、確実に対処させていただきます。開店してからのトラブルは、何よりも避けたいものです。店舗の開店は、店舗デザイン建築.COMにご相談ください。

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